【広報紙特集インタビュー】さがみはらロボット導入支援センター(川下所長)

【広報紙特集インタビュー】さがみはらロボット導入支援センター(川下所長)

広報さがみはら令和5年11月1日号「ロボットのまち さがみはら」特集の作成にあたり、さがみはらロボット導入支援センターで所長を務め、日頃から企業支援を担っている川下さんにインタビューしました。

さがみはらロボット導入支援センターとは

企業の生産性向上のため、専門家の相談受付やコンサルティングなどをする、本市のロボット産業振興の拠点施設です。ロボット導入を検討する企業への支援や、ロボットのシステムや設備の構想・設計、組み立てなどロボット導入に欠かせない人材であるロボットシステムインテグレータの育成もしています。また、ロボット開発中の企業の実証実験も支援しています

これまでの支援活動を通じて、どのように感じていますか?

相模原と言えばロボットと言われることが多いです。東京都でも支援活動を行っているが、相模原は特にロボットへの関心が高いと思います。

多摩地域にはロボットに関する支援ができるところがないので、相模原市の近隣地域の企業からも頼りにされています。中小企業が相談できる場所としてセンターはユニークな活動をしていると思います。

中小企業は人材不足や経験不足から、ロボット導入の準備がまだ整っていない企業の方も相談に来るケースも多くあります。相談を受けて実際に現地を訪問してみると、整理整頓するだけで生産性が良くなるケースもあったりします。工具などがバラバラに配置されていたり、自動化したい作業の内容がまとまっていなかったりして、そもそもロボットをすぐに導入できる状況でないこともあります。そのような場合でも、いずれはロボット導入もできるよう、相談に来られた企業には、ちょっとしたカイゼンに取り組む段階のお手伝いもしています。

以前は、間口を広くとり、啓発的な活動に取り組んできました。最近では、「自分たちで検討から導入までこなせる企業」「自分たちで検討はするけど、なかなか導入には踏み出せない企業」「自社だけでは生産性向上になかなか取り組めない企業」と企業の状況の違いもわかってきましたので、それぞれの企業の状況に合わせて支援活動を工夫して行っています。

支援活動で工夫しているところはありますか?

「企業にとって何がハッピーか」を考える

始めのうちは、相談のあった工程を「どうやったら自動化できるか」といった視点で支援していましたが、技術的なところばかりをフォーカスするのではなく、会社そのものが自動化の検討を経てどのように変化するかを考えています。

せっかくロボットを導入しても使われなくなってしまうようでは意味がありません。ロボットを導入したあとのことも考え、ロボットに関する理解を深めるような講座を行ったり、企業全体の生産力が上がるにはどこの工程を自動化した方がいいかを一緒に考えることも行っています。また、若い社員がいるところでは、そうした人がより良い経験を積んでもらえるような提案もしています。企業によっても様々な事情や状況があるので、よく話しを聞きながら、企業と一緒に考えてもらえるように進めています。

今後のセンターの活動を通じてどんな相模原の未来を描いていきたいですか?

個人の感覚ですが、相模原市は、他の地域からすると、さがみはらロボットビジネス協議会があったり、ロボット導入支援センターがあったりと、「相模原にきたら何かあるんじゃないか」みたいな感覚で外から注目されていると思います。産業用ロボットの企業がいたり、サービスロボットの企業がいたり、国内でこういう特色がある地域はあまりありません。

愛知県など、産業用ロボットの活用が進んでいてロボットSIerが集まっている地域もありますが、相模原はロボットの色んな可能性を試せる地域だと思っています。より多くのロボット企業が集まってくるように、市と一緒にその可能性をチャンスとして活かしていきたいです。

今後も、ものづくり企業の支援をしていく中で様々な挑戦があると思いますが、意気込みをお願いします

相模原を名実共にロボットビジネスの
中心地にしていきたい

ロボット業界の人たちに相模原のことを知ってもらうのはもちろん、依頼があれば小学生などにロボットを知ってもらう活動にも取り組んでいます。そうした活動で、将来、ロボットに携わる人が増えていき、相模原が更に発展していくといった循環にも繋げていきたいです。加速度がつけば、より良い変化が生まれると思っています。

取材にご協力いただきありがとうございました。

プロフィール

川下 敬之(かわした ひろゆき)

自身でケイデンスコンサルティング合同会社を立ち上げ、企業へのコンサルティング活動をする傍ら、市のさがみはらロボット導入支援センターで所長を務めたり、(一社)東京都診断士協会三多摩支部で副支部長を務めるなど、地域活動にも注力している。

保有資格等 中小企業診断士、MBA、ITコーディネーター など

【さがみはらロボット導入支援センター】
運営事務局 株式会社さがみはら産業創造センター
相模原市緑区西橋本5-4-30 SIC-2 R&D Lab.2113号室
ホームページ https://www.sic-sagamihara.jp/robot/

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