環境省は、大幅なCO2排出削減及び「地域循環共生圏」の構築に向け、大幅なCO2排出削減に資する技術を社会に導入していくために、将来的な地球温暖化対策の強化につながり、各分野におけるCO2削減効果が相対的に大きいものの、民間の自主的な取組だけでは十分に進まない技術の開発・実証について、民間企業、公的研究機関、大学等からの提案を募集し、外部専門家から成る委員会において選定し、委託又は補助により実施することとしています。
~ポイント~
CO2排出量削減の推進と将来的な地球温暖化対策の強化に貢献することを目的としています。
エネルギー対策特別会計による予算を財源としているため、使途は国内のエネルギー起源CO2排出量の削減に貢献するような、再生可能エネルギーや省エネルギー等の技術開発・実証に限定されます。
技術開発・実証事業の課題は幅広く公募により募集します。
技術開発・実証事業の対象枠・分野等
(1)地域共創・セクター横断型テーマ枠 (「気候変動×建築」、「気候変動×農業」、「気候変動×地域交通」)
脱炭素社会を実現させるためには、CO2排出削減技術の高効率化や低コスト化のための技術的な課題を解決し、優れたCO2排出削減技術を生み出し、実社会に普及させていくことで、将来的な地球温暖化対策の強化につなげることが極めて重要です。
また、地域のニーズや課題解決に繋げるとともに、社会の脱炭素化を目指すためには、実際に利用するユーザ等の関与も含めたオープンイノベーションの視点が必要です。
そのため、国の政策を踏まえつつ、地域社会におけるニーズ及び各省庁における取組について、相互に連動した課題をテーマとして設定し、様々なステークホルダがイノベーションのパートナーとして参画する地域共創・セクター横断型の取組を実施します。
令和4年度においては、脱炭素化を目指す地区のニーズに対応すべく、地域ごとの特有の課題や共通の課題を各地域の特性を活かしながら解決を図るとともに、身近なところから国民にも脱炭素化に向けた意識を醸成するべく、省庁連携を通じてイノベーションの迅速な社会実装を支援することを目指します。特に以下のテーマについて重点的に実施します。
「気候変動×建築」
例えば建材一体型太陽光発電システムの実用化や性能向上等、更なる再エネ導入の拡大や、ストックの省エネ改修技術の開発、ヒートポンプ給湯器等の高性能化/低コスト化/寒冷地対応の促進等、高効率な省エネ機器の開発などエネルギー消費量の削減が必要になります。また、住宅・建築物全体での省エネルギー・省CO2を促進するためには、エネルギーの使用状況を把握し、見える化や診断等のフィードバックを行うこと、住宅・建築物の快適性や生産性を確保しつつ、機器・設備について最適な運転の支援を行うエネルギー管理システムの導入を促進することが必要です。さらに、グリッドと協調することで電力消費を効率化し、調整力を提供することにより地域の再エネ導入拡大に寄与するビル等の開発が重要となっています。
「気候変動×農業」
断熱技術や環境制御の高度化といったエネルギー消費量の削減、熱供給機器のゼロエミッション化、農業の健全な発展に資する形での再エネ発電機器(例えば作物の生育に必要な波長のみを透過する太陽光パネル)の開発や、それら技術の導入拡大等、多くの課題が存在しています。
「気候変動×地域交通」
例えば船舶の動力を電力に変更するには、電力供給の方法やタイミングの運用面の他、電力供給を行う設備の普及といったインフラ整備も同様に必要になるなど、導入後の運用面の検討も必要となります(特に旅客船やRORO船においては地域の交通の足やモーダルシフトを担うことから定時制が強く求められていることから、新たな動力の導入に慎重になりゼロエミッション船舶の導入に向けた取組が遅れることが懸念されます。)。
(2)ボトムアップ型分野別技術開発・実証枠
「地域循環共生圏」の構築及び「脱炭素社会の実現」に向け、将来的な地球温暖化対策の強化につながり、各分野におけるCO2削減効果が相対的に大きいものの、開発リスク等の問題から、民間の自主的な取組だけでは十分に進まない技術開発・実証を対象として公募を行います。
(3)対象枠の併願について
(1)地域共創・セクター横断型テーマ枠(2)ボトムアップ型分野別技術開発・実証枠の併願はできません。
(4)予算について
1課題あたりの単年度の予算額は3千万円~5億円程度(補助金は総事業費ベースになりますので、補助率1/2以内で1.5千万円~2.5億円程度。)とします。
提案内容に応じて、委託又は補助の区分を選択してご応募ください。
なお、委託事業では、原則備品費の計上は認めておりません。事業終了後も開発した設備の整備や実証等が必要で事業終了後も継続して使用する場合は、補助事業を併用したご応募をご検討ください。また、応募に当たっては、年度・経費区分ごとの内訳の提出が必要になります。
(5)事業期間等について
原則として各課題における実施期間は3年以内とします。
技術開発・実証事業の応募要件及び実施体制
【委託事業】
事業に参画する者の要件
本事業に参画する者(技術開発・実証事業を実施する者)は、国内の技術開発機関等に所属している技術開発者等とします。ここで「技術開発機関等」とは、以下に該当するものとします。その他、脱炭素社会の実現に向けたイノベーションに挑戦する企業等(例:「ゼロエミ・チャレンジ」企業等)からの応募も歓迎します。
また、本事業については地方公共団体等との連携による技術開発・実証を推し進め、各地域がその特性を活かした脱炭素社会モデルを構築し、地域の活性化と脱炭素社会の同時達成を後押しし、脱炭素ドミノを誘引することを目的としていることから、実証フィールドの提供等、地方公共団体の参画を奨励します。
- 国立又は独立行政法人と認められる研究開発機関
- 大学、高等専門学校
- 地方公共団体の研究開発機関
- 民間企業
- 独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人のうち事業に必要な設備・技術開発者を有するもの
- 特例民法法人並びに一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人のうち事業に必要な設備・技術開発者を有するもの
- その他支出負担行為担当官(環境省地球環境局長)が適当と認める者
事業の実施体制
事業は複数の技術開発機関等による共同事業又は単独の技術開発機関等による事業のいずれの形態で行うことも可能です。ただし、応募いただく課題に対応した実施体制であることとともに、実用化に向けた社内外のコンセンサスの形成が重視されることに留意してください。
また、実施体制の構築に当たっては実施期間の2年目以降には具体的な事業計画・普及計画を立案することが求められます。加えて参画機関等からの資金持ち出しが見込まれ、補助事業に移行する等して事業化に繋げることが望まれます。そのため、本事業終了後にスムーズに事業化に移行するため、実施体制には技術開発部門のみならず、事業部門の人員も加えることを前提とします。
<本応募に関する事務的問い合わせ先_事務局>
一般社団法人 国際環境研究協会
〒110-0005
東京都台東区上野1-4-4
E-mail:koubo-ontai@airies.or.jp
お申込み、詳細は次のURLをご確認ください
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/biz_local/04_a01_3/r4co2_2.html
<公募要領>
【公募要領】地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業
掲載内容は、掲載日時点のもので、掲載内容に注意を払って確認をしていますが、変更や転載誤り等の可能性がありますので必ず公式サイトをご確認ください。