【相模原市】生産力を向上させたロボット活用先進企業の事例を紹介します!

2023年6月9日
【相模原市】生産力を向上させたロボット活用先進企業の事例を紹介します!

相模原市では、市内において産業用ロボットを活用し、生産性向上・競争力強化等に取り組む「ロボット活用先進企業」にインタビューを行い、『ロボット活用先進企業事例集』を制作しました。自動化・ロボット導入を検討するすべての皆様に参考となる内容です。ぜひご覧ください。

事例(1)株式会社コバヤシ精密工業(精密機械部品加工)

~生産力3倍アップ!それでも進化は止めない~

24時間無人稼働を目指して

リニアガイドとは、機械の直線運動の摩擦を減らして、レールの方向に滑らかに部品をガイドする機械要素部品を指す。

近年の半導体製造装置や工作機械の需要増加に伴い、同製品の需要も拡大傾向にあった。コバヤシ精密工業で製造しているのは、リニアガイドの重要部品である「ナット」だ。高い加工精度が求められる部品であり、対応できる企業はごくわずか。高度な加工技術を有する同社にとっても大きなチャンスであった。

しかし、交代勤務による人員確保の問題もあり、生産力の強化が大きな課題だった。そこで、同工程の自動化・ロボット導入を進めることになった。

具体的には、すべての工程をインラインで加工できる複合加工機の導入に合わせて、協働ロボットも導入する計画を立てた。ワークのハンドリングを自動化させ、複合加工機の24時間無人稼働が可能な生産体制の構築を目指すものである。

事例(2)相模カラーフォーム工業株式会社(工業用化成品加工)

~地元ロボットSIerとの密な連携で自動化を実現~

作業時間が3分の1以下に

今回自動化したのは、1箱2個セット(白・黒)の組み立て工程だ。まず、名刺サイズ程度のスポンジを製品の形に成型し型を抜いたものが2色分できてくる。このあと、型を抜いた白と黒の製品を入れ替え、はめ込みなおす作業を行う。

これによって、型が抜け切れていないという不良が生じていないかの検査も兼ねることができる。また、製品には小さな6つの穴の型が抜かれており、その穴を手であけるカス取り作業も行っていた。

非常に細かな作業で集中力やコツのいる手作業。この一連の作業を自動化できたことで、それまでは1日3,000箱分を20名×2時間=計40時間をかけて製造していたものが、2名×6時間=12時間でできるようになり、作業時間を3分の1以下に短縮することができた。

作業者は、組み立てされて流れてきた商品と説明書を合わせて箱に詰めるだけの軽作業だけで済み、新入社員でも対応できるようになった。

事例(3)竜飛精工相模原工場有限会社(プラスチック部品成形)

~3名分の仕事を1名に。それでもまだ通過点~

試行錯誤を経て、ロボット導入を実現

自動化に向けては、もともと取引のあったシステムメーカーに相談し、成形品の整列作業をロボットで実現できるかどうか検討するところから始まった。

そこで実現可能性があることを確かめたのち、自社のやり方、作業の仕方を考慮しながら、具体的なシステムの検討を進めていった。ただ、ロボットの導入過程は、試行錯誤の連続だったという。

トレイは顧客から指定された専用トレイのため変更することができず、バラツキを前提にシステムを構築していく必要があった。 また、成形品の向きも、金型のレイアウト上均一ではないという問題もあった。そのまま取り出してコンベアに置くと、向きが異なる2個が流れてくる。

そこで、今回導入したロボットが成形品を把持したあと、180度回転させて同じ向きに揃える仕様とした。それによって、すべて同じ向きでトレイに整列させることができるようになった。成形品の受注から約1年をかけて検討・試行錯誤を重ねた結果、無事にロボットの導入に至ることができた。

事例(4)冨士自動車興業株式会社(自動車部品製造)

~熟練作業者に依存しない高品質な溶接を目指して~

「条件出し」が鍵を握る

ロボットの導入に向けては、東京ビッグサイトなどで開催される展示会で情報収集したほか、もともと溶接関係の材料を購入していた取引先にも相談し、ロボットメーカーの紹介を受けることができた。

同メーカーのトレーニングセンターが近隣にあったことから、実際にテストピースを持ち込み、その場で試せたことが大きかった。自動化システムの仕様自体は社内で検討・策定した。その後、以前より付き合いがあり、自社製品・技術をよく理解してくれているロボットシステムインテグレータに設備の設計・製作を依頼するに至った。

溶接ロボットシステム 溶接作業の難易度は、材質の違いによっても大きく変わる。今回の場合、炭素が多く含まれていたことで技術的な難易度が引き上げられていた。高炭素の素材は、表面に焼きが入ってしまい、素材自体の硬度が上がることで溶接部が割れやすくなるという特徴がある。

人手による溶接作業時には、それを抑えるために二度溶接を行うことで硬度を落とす必要があった。しかし、経験・技術がなければ安定した温度を保つことが難しく、熟練技術者でしか要求品質を満たす溶接が実現できない状況にあった。

詳細はこちらをご覧ください。

詳細
https://www.sic-sagamihara.jp/robot/interview

相模原市ものづくり企業支援サイトでは、相模原市を所在地としたロボットメーカーを含む様々な企業を検索することができますので、ぜひご活用ください。
https://industry.city.sagamihara.kanagawa.jp/#sec04


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