ロボット企業インタビュー記事企画
「歴史を紡ぎ、未来を創る」
さがみロボット産業特区である“相模原市”で最先端の“ロボットビジネス”を行う企業におもむき
その歴史と、ロボット・自動化の今について伺いました。
第2回はこちらからご覧いただけます。
industry.city.sagamihara.kanagawa.jp/cat_info/sagamihara-robot-2/
第3回 現場の声を形に──食品を技術で支えるアルトリスト
食品業界の自動化をリードするアルトリスト株式会社。段ボール開封ロボットや物流自動化システムなど、現場の課題を解決する製品を次々と生み出してきました。地域企業と連携しながら内製化を推進し、高い品質と迅速な対応を実現。食品産業を超えた新たな市場での可能性を切り拓いています。

【会社概要】
アルトリスト株式会社
代表取締役社長 橋田浩一
住所(相模原技術センター) 相模原市中央区田名3039-30
企業ホームページ https://www.altruist.co.jp/

アルトリスト株式会社について
弊社は食品産業向けの各種専用機とロボットシステム両方の開発をワンストップで提供する企業で、設立以来、多くの大手食品メーカーと取引があります。
「食品や製薬業界の現場は、手作業が多く残されています。それをロボットで効率化し、省人・省力化を助け、人とロボットが共存する快適な環境を作ることが私たちの使命です」と語る橋田さん。
自動化が進む現代、同社の製品は現場からの大きな期待を受けています。

新設された“相模原技術センターロボット研究開発所”
これまでの弊社の売り上げの大部分はファブレスでの案件が大半を占めていました。設計は社内で行い、実際の製造は外注するという形式が多かったです。
そうすることで、小さな部分も外注先に依存せざるを得ない部分がありましたが、相模原市や神奈川県の支援を受け、内製化をするための組み立て工場として、2021年にこの「相模原技術センターロボット研究開発所」を設立。
自社製の標準システムの開発などを進めています。


“アイデアは現場から”新たなシステムを開発
弊社では、新たに段ボール開函・取出しロボットシステムを開発・発表しました。
このロボットはテープ部分のみを切断し、中身を傷つけず紙粉を出さないで箱を開封することが可能です。
特許出願中のセンサー技術を活用して、不規則な形状の箱でも安定して処理ができ、特に食品や製薬工場などの紙粉等の混入が許されない現場で評価されています。
段ボールの開函・取出しから、パレットへの積載まで、一連の流れを自動化するシステムを構築することも可能です。
一番の基本は、お客様の現場に行って、困っていることを直接見て聞いて、それを具現化すること。現場のニーズに寄り添った製品開発がアルトリストの大きな強みです。

“さがみロボット産業特区 相模原”で地域と連携
弊社が立地している工業団地内には多くの金属加工の工場があるのはありがたいですね。相模原に来てから実際に何社か取引をさせていただいております。
以前は三重で作っていた大型の台車を製作する際に、すぐそばの会社に部品をお願いするようになると、技術も申し分ないですし、物流のコストもない。
相談する相手を遠くまで探す必要もないことは非常にメリットだと感じています。
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自動化のニーズを捉え、拡大を目指すアルトリスト
人手不足問題は深刻で、極端に言えば自動化を進めなくてはいずれ世の中から物がなくなってしまいます。大きな工場でも自動化の導入自体は進んでいますが、まだまだ自動化の余地は残っています。
またSDGs、カーボンニュートラルなどを問題視する会社も多く、やはり自動化のニーズは増えてきていて、ロボット産業の市場は面白い状況だと感じています。
弊社はこれまで、取引先の多くが大手の食品関係企業でしたが、今後はこの段ボール開函・取出しロボットシステムを皮切りに食品分野への更なる取引拡大はもちろん、製薬や物流分野との取引を増やすことを目指していきます。

さがみはらロボットビジネス協議会 企業情報
アルトリスト㈱ページ
https://www.sagamihara-srbc.com/company-info/altruist_sagamihara
食品産業の未来を支えるアルトリストの挑戦は、相模原市のロボット産業の可能性を象徴しています。
次回は、設計から組立、電気工事まで全てを内製化し、高い技術力を誇るNDSエンジニアリング。地域産業を支える力強い取り組みに迫ります。
https://industry.city.sagamihara.kanagawa.jp/cat_info/sagamihara-robot-4/